過去の呉服町春秋
2005/11/15
『東三河 出会いの野鳥』 豊川堂 2000円
皿井先生が野を歩き、写真に撮った鳥たちが「東三河出会いの野鳥」にまとめられた。こんなに多くの鳥が身近にいたのかと驚いた。
私も生き物が好きで、豊川堂の屋上でヒマワリを育てていた。花が萎れる頃になるとカワヒラが種を食べに来る。冬にミカンを切っておくとヒヨドリとメジロが来る。双眼鏡で見るのが楽しみだ。
実は皿井先生には朝倉川育水フォーラムの野鳥観察会でお世話になっている。私は朝倉川の水質調査を担当している。運がよければガマの枯れ枝から小魚を狙っているカワセミに会える。
秋も深まってきた。向山大池にカモたちが勢揃いする頃である。皆さんもこの本を携えて野鳥を観に行きましょう。楽しいですよ。

慶応三年七月十四日の朝、豊橋の牟呂に伊勢神宮のお札が降った。これが原稿となって狂乱の「ええじゃないか」が日本中に広まった。
宗田理氏が豊橋市制一〇〇年に「ええじゃないか」を題材とした映画を企画した。タイトルは『早咲きの花』。豊川堂もオーディションの受け付け係をした。
すでに豊橋市内の撮影は終了した。大手町通りで行われたええじゃないか踊りは大盛況であった。
もう一つ宗田氏は企画した。「世直しだ ええじゃないか」と題した版画である。
作者は武田秀雄。最近出版された「ワルの知恵本」の表紙を飾った人である。
お札が空を舞い、人々が踊り狂う図を見ると、時代を動かすヒントが手に入るかも知れない。
2005/09/15
『砂の記憶』 稲垣 瑞雄‖著 豊川堂 630円
早川奎氏より、「豊川堂に積まれた宗田理氏の『雲の涯』を見ていつか言おうと思っていた。実は同級生で、豊川海軍工廠が米軍に空爆された日に勤務をサボり、自分一人が助かってしまい、以来呵責の念にかられ、六十年間これにこだわり続けて詩と小説を書いている人がいる。本にしないか。」と原稿を渡された。
著者は時習館の先輩稲垣瑞雄氏であった。早速読んだ。これは東三河の人にぜひ知ってほしいと思い、四編を選び、著者の許諾を得て本作りに取りかかった。カバーは「市電のある風景」の伊奈彦定氏にお願いする。発行日は空爆の日にちなんで八月七日とした。
「砂の記憶」が完成した日に早川氏のお宅へ届けに行った。喜んでいただき、本にして嬉しかった。
2005/08/15
『上伝馬町誌』 上伝馬町誌編集委員会‖編 2000円
兵東政夫先生から電話をいただいた。兵東先生は元豊橋市教育長。戦後六十年を迎え、先生の著書「われあかあかと生きたり」の相談があるとのことであった。
さて、この兵東先生が序文を書かれた「上伝馬町誌」が出版された。三百ページに及ぶ労作である。
上伝馬町は江戸時代、町名が示す通り吉田宿の伝馬役であった。また、色街としても栄えていた。
時を経て昭和二十年六月十九日夜半、米軍の空襲により全てが焼けてしまった。しかし、「物象は消失せり、而し人は残れり、昔を思ひ我等、意を一にして復興に進まん。」と謳い立ち上がる。
以来、誇りとする吉田神社の祇園祭が町民の絆を益々強め、現在も活発に活動を続けている。
2004/11/15
『もりのこえ』 伊藤忠商事 800円
愛・地球博(愛知万博)のマスコット絵本『もりのこえ』が話題になっている。著者は横浜在住の田代千里さん。キッコロとモリゾーじいさんを主人公に、自然との共生を訴えるストーリーである。
発行当初は愛知万博公式ショップのみで販売されていたが、万博を盛り上げようと愛知県書店組合が取り扱いを始め、県内書店に並ぶようになった。
九月の末に、皇太子様のホームビデオがTVで放映され、多くの局で『もりのこえ』が愛子様のお気に入り絵本と紹介された。以来全国の書店から問合せが殺到、出版元の伊藤忠商事もあわてて増刷。
最初は不気味であったモリゾーの顔が、今では年輪を重ねたシブい顔に見えるようになった。